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徒然音楽日記(新) Saxophone - Yuki Yoshio

日々の活動の記録

長生淳:四重奏曲

長生氏の曲はポピュラリティとアカデミズムだけでなく、様々な時代およびジャンルの語彙を網羅し、我々の想像をしえもしない所での音楽のクロスオーバーをする事が得意な作曲家と言えよう。

たとえば、サクソフォンのための有名な作品である氏のパガニーニ・ロストやトルヴェールの惑星は、題名から想像が容易いようパガニーニや惑星を巧みに引用した音楽が展開される。

パガニーニ・ロストは、ジャンルレスな音楽展開(ジャンル・ロスト)を一定のテンポのまま(テンポ・ロスト)していく技法が見事で、彼の作風と作品のコンセプトが一致したと言える傑作。

トルヴェールの惑星の中でもとりわけ有名な「彗星」は、原曲の彗星のテーマの反行系(逆行ではない)をもとにした独自の魅力的な旋律と、4分半という短い演奏時間の中でさまざまな惑星のメロディが顔を出す。

さて、最近は7月おさらい会のために、氏の四重奏曲をさらっている。
演奏録音やライブでの演奏も極端に少ない作品で、どんな響きがするのだろうと思えばとても魅力的な曲だと感じたが、彼の最も得意とするクロスオーバーが禁じ手とされた四重奏曲というジャンルにおいてでも、しっかりとした構成をもった良作だと感じている。
ちなみに録音が少ないと言ったが、この作品を委嘱したトルヴェール・カルテットと、モビリス・サクソフォン・カルテットという団体が録音を残している。(どちらもとても良い録音)録音が無いというより、貴重というか、この時世に気軽に聴ける手段がネット上でも制限されている(メビウスはNMLで聴けるがこれも月額有料だし)点もあり、さらに四重奏曲というある種ストイックなジャンルの音楽ということもあり、直球勝負を仕掛けているところもある。

曲は4つの楽章から構成されており、それぞれトルヴェールという言葉に物語を連想させるタイトルが付けられている。
全部フランス語で若干読みづらい。(それは関係ない)
第1楽章には破壊を意味するPerdre。
衝撃的な和音から曲は始まり、古典的な響きの中に破壊的な旋律をねじ込む中間部が印象的な楽章。
第2楽章は探求を意味するChercher。
追い求める自発的なニュアンスや意思がシンコペーションの音型に現れており、めまぐるしい転調と追走的なアンサンブルが高い緊張感を生み出している。曲中最も作風が良く出ている気がする。
第3楽章は憧れを意味するAspirer。
テナーサックスの四小節のシンプルながら味の深い旋律から曲は導入され、カノンふうにほかの楽器にも広がっていき、音楽が展開されていく。
憧れという言葉の持つ、両面の意味合いを美しく
音符に書き表した曲だと思う。最後には救われた終わり方をする点も個人的にはとても良い。
第4楽章は発見を意味するTrouver。
この楽章が曲中最もストイックな響きが続いているように思う。8分の6拍子が急速なテンポで繰り広げられるとても難しく華やかな作品。
この楽章の中で見え隠れするテーマが「発見」の本質なのか、カルテットという演奏団体に敢えて利用するユニゾンの響きに彼にとっての様々な意味での「発見」なのか、それは演奏者と聴衆に咀嚼を委ねられている。

彼の作品で個人的に最も好きな所は、これほど作風がしっかり出ていても音楽的に完成させる余地は演奏者にも残されているという点だ。

と、いいつつも本当に難しい作品であるということも事実で、それ以前にこれ吹けんのか…😅みたいにもなっている。
がんばろう。

Astor Piazzolla #1 - Overture Dramatic op.5

アストル・ピアソラ。ここ数日の研究テーマである。
研究と言えば大したものに聞こえるのかもしれないが、もっと平たく言えばお勉強ごとである。
誰も知らないような発見なんていうのは、そう簡単に出来るものではないと思うし、とはいえ、それではただのお勉強であるから、やはりまずは自分の中だけでも「研究」し続けていきたいと思う。

実はピアソラにはクラシック音楽作品が存在する。
曲数は多いとは言えないものの、タンゴのイメージが強い我々にとっては新鮮に映えるのではないだろうか。
彼の作曲の師匠であるヒナステラからの影響も感じられる。

Astor Piazzolla - Overture Dramatic - Op.5


正確な作曲年は文献に存在しなかったため分からないが、おそらく1945年前後の作品。
当時のピアソラは24歳前後。この頃はストラヴィンスキーやバルトーク、プロコフィエフ等のスコア研究に没頭し、クラシック音楽の作曲を試みていた年らしい。

この手の音楽は個人的に大好きなので、これは記事にしてしまいたかったという…。。笑

正格旋法と変格旋法の事

楽典の本にしれっと載っている協会旋法。
あれ、正格旋法と変格旋法ってあったじゃないですか。
あれの違い、ずっと知らなかったんですけどつい最近知りました。

本当はほかの事を調べてたんですけど、やっぱり点と点って思わぬところでつながりますよね。笑

オクターブ以内の範囲で、主音が下に来る旋律が正格旋法。
オクターブ以内の範囲で、主音が中心にくる旋律が変格旋法。
…ざっくりすぎるかな?笑

今はアウトプット出来る次元の脳みそはないからいいか・・・。笑


サクソフォンの様々な奏法 (v1.0)

段々特殊奏法っていうものに対して意識が変わってきていて、そういうのって表現の1部分でないしそれをわざわざ「特殊」とつけるのがなんだか傲慢な気がしてきている。個人的にね。
音楽的な表現っていうのが極限までに拡大されてきているわけだから、こういうものをリストにするのもどうかと思うんだけれども、前々からずっと載せ続けていたし、改めてまとめ直してのこしておこうと思う。

発音に関するもの

スラップタンギング
舌と舌を面と面で発音させることで弦楽器のピチカートのような音を出す発音。

ハーフタンギング
サブトーンと似ていると判断していいと思う。舌をつけたまま音を出す事によって渋みのある音というか不明瞭な音を出す。

ダブルタンギング
TuとKuを使い分けたタンギングで、シングルタンギングより発音が柔らかく、連続した速い発音が出来る。
応用してトリプルタンギングに発展する。

フラッタータンギング
巻き舌の原理使ったようなタンギング。

音(域)に関するもの

フラジオ(アルティッシモ)
倍音を使ってサクソフォンの持つ通常の音域よりも高い音を出す。

重音
特別な指使いによって、2つ以上の和音を出す奏法。
バランス感覚がすごい大事で、出てくる音色に対して必要なアンブシュアはかなり繊細。

微分音
半音のさらに半音を出す奏法。近年ドイツ音名での命名がついたことでも有名、
ちなみに4分の1フラットには語尾に「ef」4分の1シャープは「if」とつける。

ポルタメント
音と音の間をなめらか(間の音が分からないように)に移行する奏法

グリッサンド
音と音の間を中間の音がハッキリと分かるように移行する奏法

グロウ
強く吹き込んで音を割る...割る・・・割るでいいのか・・・。

キークリック(名前は色々あると思う)
キーをパタパタして音を出す(息は入れないのが大抵)

人前で演奏するという事(ブラームスの交響曲3番)

今日は高校時代のヴァイオリンの友達が出演したオーケストラのコンサートを聴いてきた。
オールブラームスプログラムで、ヴァイオリン協奏曲と、交響曲の3番と、アンコールにハンガリー舞曲の5番。

個人的な話になるが、知っている作曲家で自分の耳に馴染まない作曲家ランキング(要するにあんま聴いてない作曲家でもあるのかもしれない)として上位にいるブラームス・・・一方で本当にブラームス神!!って言ってる人は多い!どうしてだろう何故だろうずっと考えて来たのだけれども。
勿論人によって好き嫌いはあると思うしコレを嫌いと片付ければ話は簡単だし早いのだけれども、twitterでこのような投稿を見かけて、なんだか信憑性が本当にあるかも分からないけどハッとしてしまった文章がある。
そんな事を思い出しながら探したんだけど見つからなかったから、だいたいのニュアンスだけ書き記しておく。
それは、「ブラームスの作品は、その人が人生に於ける苦難や成功などの様々な経験をしなければ理解する事は出来ない」という様な内容の事。
それを読んだときに、ブラームスが理解出来ないのは、今の自分には到底分からないような高い次元の音楽というか・・・単純に本当に大人な音楽なんだなと思った、というのがずっと自分の中に残っている。

そんな中でのブラームスのコンサート。自分にとってブラームスは、演奏する機会こそあるか分からないが自分の成長を確かめる大切な作曲家になっているような実感を得た。
今までは魅力も分からない、重くて退屈な作品ばかりの作曲家だと思っていた。
規模の大きな作品も1楽章のアレグロもアレグロって感じの魅力を感じないし、ロマンチックな感じもしたとは思えなかったんだよな前は。

今日の演奏会の内容は本当に良かった(なんか上からっぽい書き方でやだなこの文章)。ブラームスのヴァイオリン協奏曲はいわゆる3大ヴァイオリン協奏曲の1つとして数えられているけれど規模もスゴく大きくて、ちゃんと聴けるか不安だったが演奏が本当にスゴくて見事に引き込まれた・・・。
交響曲の方はもっとちゃんと聴けるか不安だったがこれも普通に聴けた。ただ、魅力を感じたというよりは、本当に大人の音楽なんだなという感じ。深みがありすぎて、それを理解するにはまだ若すぎると門前払いを食らった感じ。(笑)
ただその中でもこのメロディは良い!!!って思ったのがこの3番の3楽章のメロディ。
チェロから始まるCmollの響きがすごい魅力的で妙に頭から離れない。。



しかしやはり、ここ数日でたくさんのコンサートに足を運んで、人前で演奏するっていう事の重みを改めて感じた。
どのコンサートにも沢山のお客様が来ていて、その人は全員個別の事情を抱えながらもその演奏者のために、その演奏を聴くために何時間もの時間を割いている。場合によっては汗水血を流して、命、時間を削って得たお金まで払っている。
演奏会を実行するために手伝ってくれるスタッフも、手伝いのためだけに全力で力を貸してくれて、そういう人の繋がりに助けられてコンサートってつくり上げていくものだと思ったから、本当に人前で演奏するという事に対する意識が全く変わった。
そういう人との繋がりで作っていくものだからこそ、自己中心的な言動をしている事に気づけなかったり人に迷惑を掛けていたり人の気持ちが全然分かっていなかったりするままでは本番など成り立たないと今は思っている。
もちろん、演奏するのも聴くのも人間だから、どこかに引っかかりがあるのも仕方ないと思うし、そういう悪い環境の中でベストな演奏、行動をするのもプロの役目だとも思う。
自分なんかはまだまだ人の気持ちを察するのって本当に弱いと思うし接触して本当に後悔した人なんて本当に少ないからそういう必要も全然無く皆助けてくれたから生きて来れちゃったけど、もう全然そうじゃなくて自分がもっともっと周りの気持ちに気づいてそういうのに添っていけるような行動が出来るようになりたいとも思っている。

だんだん話が逸れてしかも大きくなって来たんだが、(笑)
だからすげえなあって思うんだよな、この社会で生きている人が。
嫌だなって思う事だらけの世界で文句1つ言わずに働いてたり、勉強してたり。
とは言っても、嫌と言う事よりも何も言わずに流れる方が楽なのも分かるけれども。
流される人にはなりたくないな・・・もしかしたら既に流される人なのかなワタシは?笑
本音かくして意見を合わせてもらうよりも本音同士ぶつけて、全く違うアイディアで溢れた方が楽しいと思うんだけどな。面倒だけれども。

そう!だからこういうのがちゃんと分かるようになった頃、きっとブラームスがすっと身体の中に入ってくるようになるんだろうな!と思った訳です!!!そういうことだよ!!!

さあ明日は合わせだ頑張ろう。

リヴィエ「トランペットとサクソフォンのための協奏曲」

リヴィエはサクソフォン奏者を始めとして管楽器奏者には馴染みの深い名前なのだけれどもクラシック全体で見るとスーパーマイナーな作曲家の立ち位置にいる作曲家です。
作曲をオネゲルらに学び30歳くらいになって一等賞でパリ音楽院卒業。
有名な作品としては、フルート協奏曲(とんでもねー曲ですコレは)や、サクソフォンカルテットのためのグラーヴェとプレスト、等。

で今回ご紹介するはサクソフォンとトランペットの2人をソリストとした協奏曲。
リヴィエの作風というのは決して前衛的な技法ばかり使っているのではなくむしろ保守的で、フランスらしい軽妙さというのがいつもあって、更にリヴィエのキャラなのか、楽しさが出てくる作品が多い。
この曲も例に漏れず特に3楽章なんかはクスリときちゃうような仕掛けがたくさん。
一楽章は混沌の極みみたいな部分あるけれども。(笑)

第一楽章は急速な部分に、ワルツのテンポで、と書かれた中間部を挟んだ3部形式。
前半はクールな感じでばっちりと音楽を決めていくカッコいい部分。
中間部のワルツはアンニュイな感じで演奏したい。
後半の速さが戻った所は前半と同じような音型なのに速度が上がっているししかもだんだん演奏者いじめみたいなフレーズが増えていく・・・。笑

第3楽章は打って変わって明るい曲想でウキウキする。
が中間部には意識してニートみたいな気分の楽想の部分をはめ込んでみたりクレストンのソナタの3楽章のテーマみたいなのが聴こえたり(これは確実に偶然だとは思いますが)イロイロ本当に面白いです。笑
合わせてて笑わずに吹けません・・・今の所・・・ww

というわけで
この曲Adonisで、1と3楽章のみの抜粋ですが演奏しますので聴きに来てくれたら嬉しいです!そこかよ!!

ヨーク・ボーエン「トッカータop.155 (ピアノ)」

イギリスの作曲家、ボーエン。
マイナー作曲家の中で有名な方で、20世紀前半において、ピアニストとしても活躍したためピアノ作品が多いです。
個人的にスゴい注目したい作曲家なのだけれども全然聴けていない・・・。
今日紹介するピアノのためのトッカータは4分強の短い小品なんだけれども調の出方、聴こえ方が非常に面白い曲。

動画埋め込みが出来なかったので、こちらから飛べます。
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